セルフサービス
1983年、アメリカにあって日本に無かったもの。
二つ目は、ガソリンスタンドのセルフサービス。
自転車での大陸横断当時の食事は、朝がインスタントラーメン、昼は食パンにミラクルウィップという瓶詰めのマヨネーズを塗ってキャベツを挟んだサンドイッチと牛乳、そして、人参にマヨネーズをつけて丸かじり。
夜は、ご飯を炊いて缶詰をおかずにするか、焼飯にするか、といったところ。
コンロは、ホエーブスという本来はホワイトガソリンを使用する頑丈なものを使っていた。ただし、ホワイトガソリンは高いし手に入れ難いので、普通のガソリンを使っていた。
自転車に乗って、ガソリンスタンドで500ccくらいの容器にガソリンを入れてくれと言うと、皆けげんな顔をして「何に使うんだ?」と聞く。
1ヶ月後、だいぶ慣れた頃にジョークの一つも言ってやろうと
「これを飲むと速く走れるんだよ。」
と言ってみたが、何せ英語がたどたどしい。うまく伝わるわけもなく、
何を言ってるんだコイツは?という顔でスルーされてしまった。
さて、問題のセルフサービス。
やはり最初のひと月はフルサービスで入れてもらっていたが、
セルフサービスの方が安いので、ある日、自分で入れてみた。
アメ車はデカくガソリンを食う。セルフサービスもハンドルを握るとロックがかかって、後は手を放しても自動で給油され、いっぱいになると自動で止まる。
500ccの容器にノズルを入れ、ハンドルを握る。
カチッという音がしてロックがかかる。
何も知らない私は焦る。
500ccなんてアッという間だ。
何もせずに放っておいたら止まったのだろうとは思う。
しかし、私はもはやパニック状態。
ノズルを引き抜いてしまう。
ロックは解除されない。
結果、ガソリンをばら撒きながら“Excuse me! Excuse me!”
店員が慌てて駆け寄り止めてくれた。
ばら撒いた分も払ったのだろうとは思うが、あまりにもガソリンが安いので、
もしかして500cc分?と疑った。
もう一つの疑問。
あそこは”Excuse me”ではなくて、”Help me! Help me!”
が正解だった?

