目から鱗

村上春樹の英訳本 “HEAR THE WIND SING" と “PINBALL, 1973" ,vintage-books のものは
“The Birth of My Kitchen-Table Fiction" An Introduction to Two Short Novels という
村上春樹が作家となるきっかけについて書かれたものから始まっている。(日本語としては「職業としての小説家」の中にある)
村上春樹ファンの中では有名な話なのでしょうが、驚きの事実が満載。
まず、ジャズ喫茶?を経営していた29歳の村上春樹が、神宮球場での開幕試合ヤクルトー広島の1回裏、先頭のヒルトンが外木場から
2塁打を打った瞬間、ひとつの啓示のように
「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」と思い、神宮球場の帰りに紀伊国屋で万年筆とボールペンを買ったこと。
そして、最初の作品「風の歌を聴け」は、日本語で書き上げたものの満足がいかず、
改めて英語で書き直し、それを日本語に直したものであること。
(村上春樹は学生時代、海外文学を原書で読みまくり、日本の小説はほとんど読んでいないらしい)
私が、「女のいない男たち」の英訳本を読んで、その読みやすさに衝撃を受けたのも納得がいきました。
この中の後半に
“It was a moment of true clarity, when the scales fell from my eyes." という一文があります。
「まさに目から鱗が落ちる、というところです。」 『職業としての小説家』ではこう書かれています。
scale は鱗という意味もあるので、英文と日本語、同じ表現ということになります。
これは?と思い調べてみると、「目から鱗が落ちる」というのは新約聖書から発生したことわざでした。
これまた納得です。